みかんの白い筋に含まれる栄養素の主役ともいえるのが、ポリフェノールの一種であるフラバノン配糖体「ヘスペリジン」です。かつて「ビタミンP」とも呼ばれたこの成分は、人体の循環器系に対して極めて優れた生理活性を発揮します。
ヘスペリジンの最も代表的な機能は、毛細血管の透過性抑制と血管壁の強化です。毛細血管が脆くなると、出血しやすくなるだけでなく、組織への酸素や栄養素の供給が滞り、慢性的な冷えやむくみを引き起こします。ヘスペリジンは血管の内皮細胞に働きかけ、柔軟で強靭な血管構造を維持するサポートを行います。
血流改善作用も臨床研究で広く確認されています。末梢血管を拡張させ、手足の指先まで温かい血液を行き渡らせることで、冬季の冷え性緩和に寄与します。さらに、血液中の悪玉(LDL)コレステロールの酸化を防ぎ、血管内皮の炎症を抑える働きがあるため、動脈硬化の進行を遅らせ、高血圧予防や心血管疾患のリスク低減にも重要な役割を果たします。
果肉に豊富なビタミンCは酸化されやすく壊れやすい性質を持ちますが、ヘスペリジンが共存することでビタミンCの安定性が劇的に向上し、体内での抗酸化作用が持続するという相乗効果も見逃せません。