GACKTが日本の音楽シーンに鮮烈なインパクトを与越した原点といえば、1995年10月に2代目ボーカルとして加入したMALICE MIZERボーカル時代です。リーダーのManaとKöziが構築する「中世ヨーロッパのバロック・ゴシック様式」を完全具現化したそのビジュアルは、当時の音楽業界に計り知れない衝撃を与えました。
当時のGACKTマリスミゼル時代の評判はまさに「生きたフランス人形」「西洋絵画から抜け出してきた貴公子」。フランスの古城を模したステージセットで、純白のドレス風衣装や深紅のベルベットマントを纏い、華麗にパントマイムやフェンシングを披露しながら朗々と歌い上げる姿は、単なるバンドのフロントマンの枠を遥かに超えていました。
特に話題を呼んだのが、GACKT若い頃の髪型とメイクの先進性です。漆黒のロングヘアから鮮烈なプラチナブロンド、時にはパープルやスカイブルーを取り入れたウィッグやエクステンションを使いこなし、カラーコンタクトレンズや陶器のような白塗りメイクを日本のメンズカルチャーとして定着させました。当時の音楽専門誌のインタビューにおいて「僕にとってメイクや衣装は仮面ではなく、内面にある美意識を現世に具現化するための儀式」と語っていた通り、その徹底した世界観の構築は現在見返しても一切の古さを感じさせません。