インターネット上やSNSの家事情報では、「ナチュラルクリーニング」として重曹やクエン酸、セスキ炭酸ソーダを使った掃除術が人気を集めています。しかし、革ソファーの汚れ落としに重曹を使うのは極めて危険な誤解です。
重曹は弱アルカリ性の性質を持っています。一方、動物の皮から作られる本革は弱酸性の状態で安定しています。弱アルカリ性の重曹水を革に塗布すると、革の表面組織(タンパク質)がアルカリによって破壊され、著しい変色(黒ずみ・シミ)や表面のガサガサした硬化を引き起こします。一度アルカリ焼けを起こした革は、クリームを塗っても元に戻りません。
同様に、メラミンスポンジで汚れを擦り落とす行為も絶対にしてはなりません。メラミンスポンジは超微細な研磨剤であるため、革の表面に施された保護ウレタン塗膜や顔料を一瞬で削り落とし、取り返しのつかない傷跡を残します。頑固な手垢や皮脂汚れであっても、必ず「革専用の弱酸性〜中性クリーナー」を用いることが鉄則です。