平成から令和にかけての日本のポップカルチャーを語る上で、広島市中区白島(現在は中区中町など)にあったアクターズスクール広島(ASH)の存在は見逃せません。テレビ新広島が母体となって1999年に開校したこのスクールは、徹底した基礎レッスンと実力主義のカリキュラムで知られています。
Perfumeの西脇綾香(あ〜ちゃん)さん、樫野有香(かしゆか)さん、大本彩乃(のっち)さんは、いずれもこのスクールの初期メンバーでした。当時のドキュメンタリーや回顧録において、彼女たちは「毎週末のスクール発表会に向けて、涙を流しながら鏡の前で何千回もステップを繰り返した」と語っています。地方都市から全国区のアイドルを目指す過程で、地方在住というディスアドバンテージを跳ね返すための「圧倒的なダンスのシンクロ率」と「歌唱力」がここで徹底的に叩き込まれました。
ASHからはPerfumeだけでなく、BABYMETALの中元すず香さんや元乃木坂46の中元日芽香さんなど、国内外で高い実力を認められるアーティストが相次いで巣立ちました。広島市中区という地方都市の一角から世界標準のエンターテイナーが次々と誕生した背景には、妥協を許さないプロフェッショナリズムの育成基盤があったのです。