荒木飛呂彦作品の大きな魅力の一つが、洋楽カルチャーへの深いオマージュです。ケニーGというキャラクター名およびスタンド名「ティナー・サックス」にも、明確な音楽的ルーツが存在します。
名前の由来となったのは、スムーズジャズ界を代表する世界的ソプラノサックス奏者「ケニー・G(Kenny G)」です。スタンド名の「ティナー・サックス」は、サクソフォーンの代表格である「テナーサックス(Tenor Saxophone)」をもじった言葉遊びとなっています。
一方、カプコンが開発した2D対戦格闘ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 未来への遺産』の海外版や、欧米向けのローカライズ版アニメ・漫画では、ケニーGの名前が「ビリー・ジーン(Billie Jean)」に変更されています。
この名前変更の真相は、欧米圏における極めて厳格な商標権およびパブリシティ権(有名人の氏名・肖像を保護する権利)の侵害回避にあります。実在のミュージシャン名義をそのままゲームや商品に使用すると、巨額の法廷闘争やライセンス料の発生に直結するリスクがあるため、マイケル・ジャクソンの名曲『Billie Jean』を想起させる別名義へ意図的に差し替えられました。