大洗名物として知られる「みつだんご」の正体は、米粉ではなく小麦粉を主原料にした素朴な焼き菓子だ。かつて漁師町として栄えた大洗において、手軽にエネルギー補給ができ、冷めても固くなりにくい庶民のおやつとして定着した歴史を持つ。
注文が入ると、竹串に刺さった小ぶりな団子が熱々の鉄板へと置かれる。外側をカリッと焼き固めながら、中は驚くほどふんわりとスフレのように蒸し焼きにする職人技。焼き上がった団子をくぐらせるのは、黒糖や醤油を黄金比で煮詰めたとろみのある特製みつだ。仕上げにたっぷりと振りかけられる香ばしいきな粉が、甘みとコクを極限まで引き立てる。1本あたり数十円という昭和から続くような手頃な価格設定も手伝い、10本、20本とまとめ買いしていく客の姿が後を絶たない。