東海道新幹線では2014年3月をもって車内自動販売機の営業が全面的に終了し、山陽新幹線でも2026年3月までにすべての車内自販機が稼働を停止・撤去されました。なぜ、あれほど重宝されていた車内設備が姿を消すことになったのでしょうか。その背景には、鉄道インフラと消費スタイルの構造的な変化が存在します。
最大の要因は、「駅ナカ商業施設の急速な進化」です。主要駅の改札内には品揃え豊富なコンビニや専門店が立ち並び、乗車前に好みの飲料やお弁当を購入して車内に持ち込むスタイルが完全に定着しました。これにより、車内自販機の売上は年々減少の一途をたどっていたのです。
さらに、時速200〜300kmで高速走行する新幹線車内での自販機運用には、特有のコストと課題がつきまといます。振動や電圧変化による故障リスクへの対応、限られた停車時間内での飲料補充オペレーション、そして機器のメンテナンスにかかる費用負担は決して小さくありませんでした。自販機スペースを撤去して荷物置き場や業務用スペースに転用するほうが、列車全体の輸送効率や快適性の向上につながると判断されたのです。