火のないところに煙は立たないと言われますが、顕正会に関して芸能人の名前が浮上し続ける最大の震源地は、ネット掲示板ではなく「実際の勧誘(折伏)現場」にあります。元信者らの証言を紐解くと、信者獲得のための心理操作として芸能人の存在が意図的に利用されている実態が浮かび上がってきます。
顕正会の勧誘は、身元や目的を隠して近づく「ブラインド勧誘」から始まるケースが典型です。高校や大学時代の同級生、職場の同僚、あるいはマッチングアプリやSNSのオフ会で知り合った人物から「久しぶりにお茶しない?」「美味しいラーメンを食べに行こう」と誘い出されます。指定されたファミリーレストランや喫茶店に着くと、そこには紹介者の「先輩信者」が同席しており、いきなり教義の説明や富士山麓への参詣を迫られる展開となります。
この密室的空間でターゲットの警戒心を解くために頻繁に投下されるのが、「実は、あの超大物タレントの〇〇さんも陰ながら熱心に祈っているんだよ」「〇〇(国民的アーティスト)もこの教えのおかげで大ブレイクした」という口頭での虚偽トークです。社会心理学でいう「社会的証明の原理」および「ハロー効果」の悪用であり、誰もが憧れるスターの名前を勝手に出すことで、「それほど有名な人が入っているなら怪しい団体ではないのかもしれない」「それなら話を聞いてみようか」と心理的ハードルを一気に下げさせる古典的な手口です。
もちろん、これらは勧誘マニュアルや個々の信者による口頭の騙り(かたり)に過ぎず、名前を使われた芸能人側からすれば迷惑極まりない営業妨害です。勧誘を受けた若者が帰宅後に「〇〇が入信しているって本当か?」とネット検索することでサジェストが強化され、噂の再生産が繰り返されるという悪循環が構築されています。