足利健康ランドの閉館をめぐっては、インターネット掲示板やSNS上で「火災が起きてそのまま廃業したのではないか」という言説が一部で根強く語り継がれています。しかし、当時の消防記録や地域報道を精査すると、施設全体が焼失するような大火災によって閉館に追い込まれたという事実は確認されていません。
この火災説が広まった背景には、主に2つの要因が複合して記憶の書き換えが起きたと考えられます。
第1に、営業期間中に発生した厨房設備や機械室周辺における小規模なボヤ・設備トラブル、あるいは非常ベル誤作動などの局所的事象が、利用客の口コミを通じて誇張されて伝播した可能性です。第2に、近隣エリアや同年代に存在した他地域の健康ランド・商業施設での火災事故のニュースと混同され、ネットコミュニティ特有の伝言ゲームによって「足利健康ランド=火災で閉館」という誤ったナラティブが定着してしまった経緯が見て取れます。
客観的な事実に基づけば、同施設の終了理由は突発的な大災害ではなく、経営的判断に基づく計画的な閉館・撤退であったことが明確です。