川や海での水難事故を分析するリスク管理の観点から見ると、多度峡天然プールでトラブルに遭う家庭には共通する心理パターンが存在する。それが「環境の誤認(認知の歪み)」と「正常性バイアス(うちの子に限って大丈夫という過信)」である。
「プール」という記号が付与されていることで、保護者は無意識のうちに「プールの監視員が見守ってくれている」「水深は一定で危険な生物もいない」と錯覚し、スマートフォンに目を落として子どもから視線を切ってしまう。しかし実態は、水深が急に変化し、強い流水圧があり、急激に体温を奪う過酷な大自然そのものだ。親が手の届く範囲(ワンアームディスタンス)を保ち、小児には浮き輪だけでなく必ず国土交通省型式承認品のライフジャケットを着用させることが、防ぎ得た事故を防ぐ唯一の安全策となる。
これらを踏まえ、編集部が提示する「多度峡天然プールへの適性判断基準」は以下の通りである。
【多度峡天然プールが向いている人】
- 塩素臭のない自然の湧き水・清流の美しさを体感したい人
- 朝7時台から行動を開始し、駐車場の争奪戦に勝てる計画性のある人
- ライフジャケット、マリンシューズ、ラッシュガード等の本格装備を揃えられる人
- 利便性の低い山間部の自然環境を「アウトドアの醍醐味」として楽しめる人
【来場を見送る・慎重になるべき人】
- 体温調節が未熟な3歳未満の乳幼児連れのファミリー(水温が低すぎて楽しめないリスクが高い)
- 温水シャワー、空調の効いた更衣室、売店など充実したホスピタリティを求める人
- 午前10時以降にのんびり出発してレジャーを楽しみたいと考えている人
- 川辺でのバーベキューやペットの遊泳を目的にしている人