基本給の引き上げと並び、現場の実感に直結するのが各種諸手当の抜本的な見直しです。自衛隊の任務は近年、尖閣諸島周辺をはじめとする南西諸島警備、弾道ミサイル対処、頻発する激甚災害への派遣など、過酷さと緊張の度合いを急速に高めています。
防衛省は、危険・過酷な環境下での勤務に対して支払われる危険手当(特殊勤務手当)の単価増額と支給基準の緩和を推進しています。洋上警備における航海手当や潜水艦乗組員手当、航空機操縦手当だけでなく、災害派遣時における過酷な捜索救助活動、不発弾処理や化学・生物・放射性物質(CBRN)対処など、生命の危険を伴う現場業務に対する手当の基準額が順次引き上げられています。
また、2〜3年の任期ごとに退職手当(特任手当・任期満了手当)が支給される「任期制自衛官」の待遇強化も見逃せません。若年期に部隊の実動戦力として汗を流す隊員に対し、任期満了金の大幅な増額措置や、在任中の資格取得支援プログラムが拡充されています。これにより、部隊に残って曹へ昇任するキャリアパスと、任期を満了して有利な条件で民間企業へ転職するキャリアパスの双方が魅力的な選択肢となるよう設計されています。