船田家がなぜこれほどまでに世間の耳目を集めるのか。その理由は、近代日本の政治史と教育界に深く根を下ろした屈指の名門閨閥(けいばつ)にあります。
船田家の祖先を辿ると、衆議院議長を2度務めた祖父・船田中(なか)氏、行政管理庁長官を務めた大叔父・船田享二氏、自治大臣などを歴任した藤枝泉介氏といった大物政治家が名を連ねます。さらに父・船田譲氏は栃木県知事や参議院議員を歴任し、栃木県政において絶大な影響力を誇りました。そして、この一族の権力基盤を支えるもう一つの柱が、幼稚園から大学院までを擁する総合学園「作新学院」です。
作新学院は、元衆議院議長・船田中氏が理事長を務めて以降、船田一族が経営の中枢を担い続けてきました。船田元氏自身も学院長を務め、妻の畑恵氏が理事長として強力なリーダーシップを発揮しています。教育機関としての作新学院のブランド力と、栃木1区における船田元の強固な後援会組織は、長年にわたり表裏一体となって「船田王国」を支えてきました。
しかし、直系の息子たちが学園経営にも政治にも関与していない現状は、明治から昭和、平成へと続いてきた「一族による教育と政治の独占」というサイクルが、令和の現代において大きな曲がり角を迎えていることを意味しています。