地価日本一の銀座鳩居堂が創業360年超でも選ばれ続ける真相

地価日本一の銀座鳩居堂が創業360年超でも選ばれ続ける真相

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鳩居堂の歴史と創業の経緯を紐解くと、その出自は江戸時代初期の1663年(寛文3年)、京都寺町の本能寺門前で薬種商を営んだことに始まります。屋号である「鳩居堂」は、中国の詩集『詩経』にある「維鵲有巣 維鳩居之(かささぎの巣を鳩が居る)」という一節に由来し、自らの能力を誇らず謙虚に家業を受け継ぐという誠実な商いの精神が込められています。

薬種商として原料となる生薬を輸入・選別する過程で、漢方薬と原料を同じくする薫香製造へと事業を拡大しました。転機となったのは明治10年(1877年)、太政大臣であった三条実美より、平安時代から宮中で連綿と受け継がれてきた秘伝の調香録「名香秘伝書」を伝授されたことです。宮中唯一の調香御用を担うこととなった鳩居堂は、日本を代表する薫香・和紙文化の最高峰としての地位を確立しました。

東京への進出は1880年(明治13年)のことです。首都東京の商業の中心地として急速な近代化を遂げていた銀座の地に東京出張所を開設しました。関東大震災や第二次世界大戦の東京大空襲により店舗が灰燼に帰す苦難を味わいながらも、その都度銀座の地で復興を遂げ、銀座の栄枯盛衰を見守り続けてきた歴史そのものが、現在の鳩居堂が持つ無二の格調を形作っています。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。