2026年、日本の観光シーンはさらなる体験型消費へとシフトしている。最新のタッチパネルやキャッシュレス決済、外国人観光客向けの演出を取り入れる店舗が増える一方で、宮川製麺所が醸し出す「飾らない日常」の価値はむしろ高まるばかりだ。
SNS狙いの過度な装飾や派手なメニューはここには存在しない。あるのは半世紀前から変わらない麺と出汁、そして揚げ立ての天ぷらだけだ。デジタル過多の日常から離れた旅行者にとって、プラスチックの丼を抱えてパイプ椅子に腰掛け、黙々と麺を啜る時間は何物にも代えがたいリフレッシュとなる。本物のローカル文化を求める人々が、わざわざ善通寺の路地裏を目指す理由はここにある。