ライトを浴びて鈍く光る黒いフレーム。ボブ・アラム率いる米プロモーション大手「トップランク」仕切りのビッグマッチでも、彼の登場シーンは常に異彩を放つ。対戦相手を射抜くような眼光をあえて遮るダークレンズは、心理戦におけるひとつの武器にすら見える。多くを語らず、無駄に威嚇することもない。ただそこに座り、静かに相手を見据えるだけで漂う凄み。そのアティチュードを完成させているのが、計算され尽くしたアイウェアのチョイスだ。
プロボクシングの世界では、会見の演出一つでファイトマネーやPPVの売上が左右される。しかし、彼が纏う空気はトラッシュトークで盛り上げる泥臭いアピールとは無縁だ。引き算の美学とでも言うべき洗練されたスタイルが、スポーツファッションの新たなアイコンとしての地位を確固たるものにしている。