豆腐売り場に並ぶ商品のなかでも、プラスチック容器に水が入っておらずぴったりと豆腐が充填されているのが「充填豆腐」だ。一般的な木綿豆腐や絹ごし豆腐は、型箱で固めた後に水槽で水晒しを行い、水とともにパック包装される。一方、充填豆腐は冷やした豆乳と凝固剤を直接容器に注入し、フィルムで完全密閉した後に加熱殺菌して作られる。
日本豆腐協会や大豆加工食品産業の技術資料によると、この「パック内に空気を残さない」技術こそが長持ちの最大の秘密である。腐敗や劣化を引き起こす多くの好気性細菌は酸素を必要とするが、充填豆腐内部は完全な無酸素状態に近い。さらに製造最終段階での高温殺菌処理によって雑菌の繁殖が強力に抑えられているため、未開封であれば一般的な豆腐の数倍以上という長い保存期間を実現している。