キャラクター性が先行しがちな彼ですが、学術的・文化的なさかなクン経歴プロフィールを紐解くと、挫折と独自の才能開花が交錯した重厚な歩みが見えてきます。東京都立川市で生まれ、神奈川県綾瀬市で育った彼の本名は宮澤正之(みやざわ まさゆき)。幼少期にタコへの強い執着から海洋生物全般へと興味を広げ、自由帳を魚の緻密なスケッチで埋め尽くす日々を送っていました。
進学したさかなクン出身高校は、神奈川県立綾瀬西高等学校です。ここで運命的な出会いとなったのが、のちにお笑いコンビ・ドランクドラゴンとして大成する鈴木拓でした。二人は同じクラスの同級生であり、教室の隅で異彩を放っていた宮澤少年と、部活に明け暮れていた鈴木拓は不思議とウマが合い、互いに自宅を行き来する仲になります。鈴木拓は当時のバラエティ番組やエッセイの中で、「宮澤は高校時代からずっとあのテンションで魚の話をしていた」「自転車で一緒にカブブトガニを見に行った」といった貴重なエピソードを語っています。芸能界でポジションを確立した現在でもテレビ番組で自然体の掛け合いを見せており、計算のない純粋な友情が続いています。
高校卒業後、水産系大学への進学を志望したものの学力試験の壁に阻まれ、日本動物植物専門学校へ進学。寿司屋や水族館でのアルバイトを通じて現場の実務を学びながら、魚のイラストレーターや専門知識を活かした活動を地道に続けました。転機となったのは2000年代、独特のキャラクターがバラエティ番組のプロデューサー陣の目に留まり、「さかなクン」としてのメディア進出が本格化。単なる物知りタレントに留まらず、2006年には東京海洋大学客員教授に就任。さらには絶滅したとされていた淡水魚「クニマス」の再発見に貢献するなど、本職の研究者すら舌を巻く歴史的偉業を成し遂げました。