手軽で即効性があるため、「足がつるのが怖いから」と毎晩予防的に何ヶ月も飲み続ける人がいますが、これは非常に危険な誤った服用法です。
最大の懸念は、甘草の主成分による芍薬甘草湯の副作用「偽アルドステロン症」です。甘草を過剰または長期に摂取すると、体内のカリウムが尿中に排出され、ナトリウムと水分が体内に溜まります。その結果、以下のような重篤な症状を引き起こします。
- 低カリウム血症:手足の脱力感、筋力低下、麻痺、不整脈
- 血圧上昇・むくみ:高血圧の悪化、顔や足の激しい浮腫
日本東洋医学会および厚生労働省の医薬品安全情報でも、甘草含有製剤の長期連用に対する注意喚起が継続的に行われています。芍薬甘草湯はあくまで「頓服薬」であり、連続服用は原則として数日から1週間程度にとどめるべきです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
漢方薬の選択においては、個人の病歴や体質を見極める明確な境界線が必要です。
【服用が適している人】
・突発的なこむら返りの激痛を今すぐ止めたい人
・登山やスポーツの試合など、明確な運動負荷時に足がつりやすい人
・週に1回未満など、散発的な発作に対する常備薬を探している人
【服用に厳重な注意・医師への相談が必要な人】
・高血圧、心臓病、腎臓病の持病がある人(偽アルドステロン症のリスク増大)
・他の漢方薬(風邪薬や胃腸薬など甘草を含む処方)を併用している人
・妊娠中のこむら返りで漢方を検討している妊婦(子宮収縮作用や電解質バランスの観点から、自己判断での市販薬購入は避け、必ず産婦人科医に相談の上で処方を受ける必要があります)