インターネット上で定期的にバズを生み出す「いらすとやアニメ化」の報。結論から言えば、いわゆる通常の1話30分枠で放送される連続テレビアニメシリーズが制作・放映された事実はありません。にもかかわらず、なぜこれほどまでに「いらすとやが地上波でアニメ化された」という認識が広く定着しているのでしょうか。その背景には、メディアの枠組みを超えた複数の「公式映像化プロジェクト」の存在があります。
発端となったのは、テレビ朝日のバラエティ番組や朝の情報番組内などで放送されたミニアニメーション企画や、大手飲料メーカー・通信キャリアが展開したテレビCMです。イラストレーターのみふねたかし氏が監修したキャラクターたちがフルカラーで滑らかに動き、テレビ画面の向こうでコミカルな会話を繰り広げる姿は、視聴者に強烈なインパクトを残しました。公式発表資料や当時の放送ログを検証すると、これらの映像は単発のプロモーションや番組内アイキャッチとして制作されたものでしたが、SNS上では「いらすとやがアニメになって動いている」という切り抜き情報が瞬く間に独り歩きしました。
さらに噂を加速させたのが、公式YouTubeチャンネルや提携プラットフォームで公開された「いらすとや ショートアニメ 公式」映像の数々です。ショート尺でありながら、テレビアニメの制作を多数手がける大手アニメスタジオが作画や演出を担当し、一般的なインディー動画の枠を遥かに超えたクオリティで世に送り出されました。視聴者の間では「3分アニメとして今期覇権を取っているのではないか」「深夜枠で本格アニメ化される布石では」といった憶測が飛び交い、これが「アニメ化の真相」として語り継がれる契機となったのです。