空いた席に座ったのは、かつてこの大会を独自のシュールな世界観でかき乱した、あの「異端のコント師」だ。この人選には、誰もが耳を疑った。王道とは対極に位置し、時に観客を置き去りにする不条理劇を得意とする彼が、他人のネタをジャッジする側に回る。これは一種の賭けだ。
業界内ではすでに、「今年は設定の奇抜さや演技力よりも、どれだけ『狂気』を孕んでいるかが評価の分かれ目になる」との噂が飛び交っている。綺麗にまとまった構成台本よりも、一瞬の表情の歪みや、生理的な違和感を重視する。そんな尖った視点が加わることで、大会全体の熱量が狂気を帯び始めるのは間違いない。