では、あの頼りない生地をどうやって分厚くジューシーな一枚へ仕立てるのか。失敗を完全に回避する鍵は「水分の引き算」と「つなぎの補強」にある。
黄金比率は極めてシンプルだ。通常のたこ焼きを作る際、粉100グラムに対して水は300ミリリットル前後(約3倍)を加えるのが定説だが、お好み焼きへ転用する場合は「粉100グラムに対して水100〜110ミリリットル」まで劇的に絞り込む。ここに卵を1個割り入れることで、凝固力を一気に底上げする。
さらにプロが実践する最新の裏ワザが、キャベツの切り方と「天かす」の配置だ。キャベツは粗みじんではなく、5ミリ幅の短冊切りにして余分な水分が出ないよう優しく生地と合わせる。ボウルの中で練り混ぜてはならない。スプーンで空気を含ませるように底から数回すくい上げるだけで十分だ。あらかじめ濃厚な旨味エキスを含んでいる生地だからこそ、余計な調味料を足さずとも、驚くほどリッチな味わいが口いっぱいに広がる。