銀座ライオンで提供されるビールが他と一線を画すのは、「一度注ぎ」と呼ばれる伝統の技術があるからだ。現代の多くの飲食店では、ビールと泡を別々に注ぐのが一般的だが、ここでは職人がガラスジョッキを斜めに傾け、勢いよくビールを注ぎ込みながら、その対流だけで美しい泡の層を作り出す。
この技法により、余分な炭酸ガスが適度に抜け、雑味のないすっきりとした喉越しと、麦芽本来の甘みが引き立つ。グラスの中でビールが回転し、完璧な黄金比率で泡が完成する瞬間は、まさに職人芸。カウンター越しに注ぎ手の無駄のない動きを眺めるだけでも、ここに来る価値がある。