日本テレビ局内でトップシークレットとして扱われるマラソンランナー選考理由には、長年培われてきた明確なキャスティング方程式が存在します。編成部および制作首脳陣が重要視するパラメーターは、主に以下の3点に集約されます。
第1に、「老若男女に嫌われない圧倒的な大衆好感度」です。24時間という長尺の生中継において、画面に映り続ける走者に対して視聴者がストレスや嫌悪感を抱かないことは絶対条件となります。好感度タレントランキング上位の常連や、誠実なパブリックイメージを持つ人物が選ばれやすいのはそのためです。
第2に、「視聴者が自己投影できる人生ドラマの有無」です。過去の逆境からの復活劇、家族や恩師への感謝、あるいは不祥事や挫折を乗り越えた「再起」の物語です。走る行為そのものに個人的な理由や大義名分が付与されていなければ、視聴者の共感は引き出せません。
第3に、「過密スケジュールを縫って数カ月のトレーニングに耐えうる身体的ポテンシャル」です。どんなに知名度があっても、膝や循環器系に爆弾を抱えているタレントは医療チームの事前診断で除外されます。
一方、ファンが最も固唾を呑んで見守るのが「マラソンランナー発表日いつなのか」という情報解禁の時期です。かつては5月下旬から6月上旬の『行列のできる相談所』や『世界の果てまでイッテQ!』の特番内で発表されるのが通例でした。しかし、情報管理の徹底や直前までのキャスティング難航により、7月下旬や8月中旬までずれ込むケースが増加しています。2017年のブルゾンちえみ氏のように「当日生放送内での発表」という奇策が取られた背景には、事前の情報漏洩防止と視聴率維持を狙った過熱した演出意図がありました。
当然ながら、水面下ではチャリティランナー辞退の噂も絶えません。民放キー局関係者の証言によると、トップクラスの人気俳優や売れっ子芸人に対して打診が行われるものの、「レギュラー番組の収録に支障が出る」「長期的なドラマ撮影と重なる」「炎天下での走行によるCMスポンサーへのリスク配慮」などを理由に、丁重に辞退されるケースは日常茶飯事となっています。