自己意識の暴走として片付けられがちだったこの文化に、眩しいほどの青春と圧倒的な映像美を吹き込んだのが、京都アニメーション制作の『中二病でも恋がしたい!』である。
過去のイタい言動を隠したい主人公と、現役で「不可視境界線」を探し続けるヒロイン。本作は、二人の不器用な交流を通じて、大人になる過程で誰もが経験する自己防衛と葛藤を優しく描き出した。作中で繰り広げられるエフェクト過多な戦闘シーンは、本人たちの脳内にある切実で広大な世界観を、アニメーションならではの圧倒的なクオリティで可視化したものだ。
京都アニメーションの手腕は、嘲笑されがちだった言葉やポージングを、「傷つきやすい若者の純粋な防衛本能」として再定義した。痛々しくも愛おしい心理描写は、多くの観客のトラウマを肯定的な共感へと塗り替えたのだった。