二人の関係を語る上で欠かせないターニングポイントとなったのが、2013年に上演された舞台『ライチ☆光クラブ』での共演だ。ダークで過激な世界観が熱狂的な支持を集めた同作で、木村了は圧倒的なカリスマ性を持つ少年ゼラ役を怪演。その圧倒的な熱量とストイックな役作りは、共演者たちからも一目置かれていた。
現場で顔を合わせた奥菜恵は、すでに女優として豊富なキャリアを持っていた。しかし、妥協を許さずに板の上で役を生きる木村の真摯な姿勢に、表現者として強い感銘を受けたという。稽古場でのディスカッションや芝居の応酬を重ねるうち、二人の間には単なる仕事仲間以上のプロフェッショナルな信頼が芽生えていった。
張り詰めた緊張感が漂う舞台裏で、互いの芝居心に触れた経験。表現への情熱を共有できたことが、のちに人生の伴侶となる確かな土台を形作った。