「道の駅の食事はどこも似たり寄ったりではないか」という先入観を持っているなら、現在の道南エリアにおいては完全に認識を改める必要があります。道南の道の駅グルメは、地元漁協や特約農家との直接連携によって、中心街の有名割烹にも引けを取らない鮮度と独創性を獲得しています。
典型的な例が、鹿部町の道の駅「しかべ間歇泉公園」で提供される「浜のかあさん食堂」の取り組みです。特産の鹿部産たらこを惜しげもなく1本丸ごと載せた「たらこ御膳」は、朝獲れの魚介味噌汁とともに提供され、午前中の早い段階で完売札が出るほどの人気を博しています。さらに同駅の名物は、約100度の天然温泉蒸気を利用した「温泉蒸し処」です。売店で購入した噴火湾産の牡蠣やホタテ、地場産豚肉をセイロに詰め、自らの手で蒸し上げて味わう臨場感は、他では味わえない食の醍醐味と言えます。
日本海側のルートを進むと、上ノ国町の「上ノ国もんじゅ」に鎮座するレストランが旅人を迎えます。ここで供される「てっくい丼」は、地元で「てっくい」と呼ばれる肉厚な天然ヒラメの漬けを丼一面に敷き詰めた極上の一椀です。透き通るような白身の歯ごたえと上品な脂の甘みは、まさに日本海の荒波が育んだ至宝であり、道南の道の駅お土産としても人気の「根昆布だし」と並ぶ看板アイテムとなっています。
一方、木古内町の「みそぎの郷 きこない」では、パン工房「コッペんどんどん」が焼き上げる「塩パン」に行列が途切れません。外側はカリッと香ばしく、中からジュワッと染み出す発酵バターと津軽海峡の海水から精製した「みそぎの塩」のコントラストは、一度口にすると忘れられない中毒性を持っています。七飯町の「なないろ・ななえ」で手に入る七飯産りんごを用いたアップルパイや手搾りジュースとともに、ドライブ中の手軽な糖分補給としても絶大な支持を得ています。