女性からの妊娠報告を受けた直後、男性の多くは一瞬の沈黙に包まれます。この沈黙を「迷惑がられている」「拒絶された」と受け止めて傷つく女性は少なくありません。しかし、現場の男性たちに取材を行うと、その沈黙は拒絶ではなく、脳内で起きている未曾有の情報処理パニックが原因であることが浮き彫りになります。
アンケート調査によると、できちゃった結婚に対するスタンスとして「あり」と答える男性は6割以上を占め、道徳的なタブー感は薄れつつあります。しかし、「いざ当事者になった瞬間」の心境は別問題です。当事者の手記やインタビューでは、以下のような本音が赤裸々に語られています。
「頭の中が真っ白になり、最初に浮かんだのは『貯金いくらあったっけ?』『今の会社で家族3人を養えるのか?』という計算でした。彼女の体を気遣う言葉よりも先に、現実的な恐怖が襲ってきた自分が情けなかった」(28歳・IT関連企業勤務)
男性ができ婚で逃げたいと感じた瞬間として挙げるのは、決して相手への嫌悪感ではありません。自分の可処分所得や趣味に使える自由な時間がすべて消失することへの恐怖、そして「まだ一人前の男になれていない」という自覚とのギャップです。女性は妊娠によってホルモンバランスや身体の変化を通じて母親になる準備を始めますが、男性には肉体的な変化がありません。突然目の前に突きつけられた「重すぎる現実」に対し、一瞬腰が引けてしまうのは、防衛本能に近い心理的反応といえます。