一般家庭に侵入する大型のクロゴキブリと、飲食店や集合住宅の厨房に群れる小型のチャバネゴキブリでは、洗剤に対する反応速度に差が出る。体格が小さく呼吸量の多いチャバネゴキブリは、原液が気門を直撃すれば十数秒程度で身動きが取れなくなるケースが多い。素早い脚力を持つが、呼吸器へのダイレクトな閉塞には極めて脆弱だ。
体長4センチ近くに達するクロゴキブリは、厚い外骨格と豊富な体表油分を誇る。油膜を完全に突破するまでに一定の時間を要し、窒息するまでの間、部屋中を暴れ回ることも珍しくない。国立感染症研究所などの研究報告でも示されている通り、都市部に適応した害虫たちの生命力は凄まじく、希釈された薄い泡では気門を塞ぎきれず、自ら脚で液体を拭い去って逃走を許してしまう事例も報告されている。