体育館で練習を行うプレイヤーの間では、「〇〇市民体育館のAコートは異常にネットが高く感じる」「別の体育館に行くとスパイクがネットにかかりやすい」といった声がSNSや知恵袋などで後を絶ちません。この体感差の背後には、オカルトではない物理的な設営環境の格差が横たわっています。
都内の地域総合型スポーツクラブで指導にあたるベテランコーチは、現場の実情を次のように明かします。
「多目的利用される学校の体育館では、バドミントンやバスケットボールの支柱穴と共用、あるいはフロアの経年沈下によって床金具自体が5ミリから1センチほど沈んでいるケースが日常茶飯事です。さらに、支柱の目盛りに合わせてピンを差し込んでも、ネットを巻き上げるチェーンやワイヤーのテンション不足で中央部が極端にたわみ、結果として両サイドだけが跳ね上がって選手が錯覚を起こす事態が頻発しています」
ネットの張り具合、支柱固定ピンの摩耗、床面の微妙な傾斜といった諸条件が重なり、公式規定から2〜3cm狂ったまま練習を続けているチームは珍しくありません。この「狂った高さ」でフォームを固めてしまうと、公式試合会場のピンと張られた正規ネットに対峙した瞬間、空間把握のズレからネットミスを連発する原因となります。