上用饅頭とは?なぜ高級なのか普通の饅頭との決定的な違いと歴史の真相

上用饅頭とは?なぜ高級なのか普通の饅頭との決定的な違いと歴史の真相

上用饅頭とは?なぜ高級なのか普通の饅頭との決定的な違いと歴史の真相についての真相をご紹介します。

冠婚葬祭や学校行事で手渡される「紅白饅頭」。多くの人が「お祝いの饅頭=すべて上用饅頭」と誤解しがちですが、実態は大きく異なります。ここでは紅白饅頭と上用饅頭の違いを明確に整理しましょう。

「紅白饅頭」とは、あくまで紅と白に色付けされた祝儀用饅頭の「総称」に過ぎません。市販の安価な紅白饅頭の多くは、小麦粉を主原料とし、ベーキングパウダーで膨らませた「小麦饅頭(小麦粉生地)」です。これに対して上用饅頭は、前述の通り山芋と米粉だけで作られる格式高い逸品です。見た目は似ていても、手に取ったときのしっとり感、口どけの滑らかさ、鼻腔をくすぐる山芋のほのかな芳香において、両者には歴然たる格差が存在します。

上用饅頭がお祝い事に選ばれる歴史と由来を紐解くと、室町時代に中国から饅頭の製法を日本へ伝えたとされる「塩瀬総本家」の始祖・林浄因(りんじょういん)の時代にまで遡ります。肉食が禁じられていた日本の禅宗寺院において、肉の代わりに小豆餡を包んだのが日本の饅頭の始まりでした。その後、茶道の祖である千利休らが茶席菓子として洗練させ、江戸時代には「白い皮=清浄・吉兆」「丸い形=円満」「赤い餡=魔除け」という重層的な吉祥の意味が付与されました。

特に茶道のお茶席と主菓子の格式において、薯蕷饅頭は揺るぎない頂座を占めています。濃茶(こいちゃ)をいただく前に供される主菓子は、亭主の美意識とおもてなしの精神を表す要ですが、季節の意匠を写した薯蕷饅頭(春の桜、秋の菊や紅葉の焼き印など)は、最も格式の高い菓子として正客をもてなす席に選ばれ続けています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。