「胃カメラ=苦しい」というイメージを持つ方の多くは、口から挿入された際に生じる激しい吐き気や窒息感を想起するのではないでしょうか。鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)が「楽だ」と評価される最大の理由は、人間の解剖学的な構造にあります。
口からスコープを入れる場合、器具が舌の奥にある「舌根部」を圧迫し、強い鼻からの胃カメラ 嘔吐反射(咽頭反射)を引き起こします。これに対し、鼻から挿入するルートでは、スコープが鼻腔を通り咽頭の後壁へと直接下りていくため、舌根部に触れることがありません。日本消化器内視鏡学会の報告等でも、経鼻内視鏡検査における苦痛度の低さは統計的に実証されています。
さらに器具の進化も見逃せません。口から用いる標準的なスコープの外径が約9〜10mm前後であるのに対し、経鼻用スコープの先端部は外径約5.0〜5.9mmと、うどんや細い鉛筆ほどの極細設計になっています。「経鼻内視鏡 痛い」と警戒する人もいますが、検査前の丁寧な鼻腔麻酔により、挿入時の摩擦や痛みは最小限に抑えられます。検査中に医師とリアルタイムで会話ができる点も、受診者の心理的不安を大きく和らげる要因です。