特定技能1号を取得するためのルートは、大きく分けて「試験合格ルート」と「技能実習からの移行ルート」の2種類が存在します。
1. 試験ルート:技能試験と日本語試験の難易度
試験ルートを選択する場合、受入れを希望する特定産業分野ごとの「技能測定試験」と、基礎的な日本語能力を証明する「日本語試験」の双方に合格する必要があります。 日本語能力の証明には、独立行政法人国際交流基金が実施する「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」、または公益財団法人日本国際教育支援協会などが実施する「日本語能力試験(JLPT)N4以上」の合格が義務付けられています。JFT-BasicはCBT方式(コンピュータ試験)を採用しており、国内外の主要都市で年間を通じて頻繁に試験日程が組まれているため、ペーパーテスト形式で年2回(7月・12月)のみ実施されるJLPTに比べて日程調整がしやすいメリットがあります。 難易度としては、いずれも「基本的な語彙や漢字を理解し、日常生活で最低限のコミュニケーションが取れるレベル」であり、合格率は分野や国籍によって異なるものの概ね50%〜70%前後で推移しています。専門用語を問う技能測定試験については、各国語のテキストや過去問が公開されているため、2〜3か月程度の集中対策を行えば十分に合格を狙える水準です。
2. 技能実習からの移行条件と新制度「育成就労」との関係
実務上、最も多くの外国人材が特定技能1号を取得しているのが、技能実習生からのステータス変更です。技能実習2号を「良好に修了」した外国人は、修了した職種・作業内容と特定技能1号の業務区分に関連性がある場合、技能測定試験および日本語試験の双方が免除されます。 「良好に修了した」と認められるためには、技能検定3級相当の実技試験に合格しているか、あるいは実習実施者が作成した「評価調書」によって実習態度や技術習得が客観的に証明されている必要があります。 さらに、技能実習制度を発展的に解消して導入が進む「育成就労制度」では、3年間の就労を通じて特定技能1号の水準まで人材を育成することが制度本来の目的として明確に位置づけられました。これにより、従来の制度で問題視されていたキャリアの断絶がなくなり、育成就労(3年)から特定技能1号(最長5年)、さらに特定技能2号(無期限)へとつながるキャリアパスの連続性が法的に整備された意義は極めて大きいと言えます。