和牛の解散発表時に公式コメントとして公表された「水田の複数回にわたる遅刻」と「漫才に対する取り組み方の温度差」。しかし、長年彼らの舞台を見守ってきた劇場関係者や演芸評論家の分析では、事態の本質は単なるタイムマネジメントの問題にとどまりません。
最大の要因は、「純粋な舞台漫才の極致を目指す川西の職人気質」と、「個人のキャラクターを活かしてテレビタレントとしての成功を拡大したい水田の志向」という、表現者としての根本的な方向性の違いでした。M-1グランプリで2016年から2018年にかけて記録した3年連続準優勝という輝かしい実績の裏で、完璧を求める川西の精神的負荷は年々増大していたと伝えられています。
「舞台に立つ以上、1本のネタに100%の敬意と準備を払うべき」という川西のストイックな美学に対し、多忙を極めるテレビ収録と劇場出番の重複が溝を深めました。信頼関係に修復不可能なヒビが入った時点で、惰性でコンビを続けることを潔しとしない川西の決断が、2024年3月末のコンビ解散および吉本興業退所へとつながりました。