心温まる美談がメディアを飾る一方で、現場の最前線では想定外のトラブルや保護者の葛藤も表面化しています。ネット掲示板や知恵袋、SNSの投稿を分析すると、決してファンタジーだけでは片付けられない生々しい現実が浮かび上がってきます。
代表的な事例が「当日の夜泣き・パニック」です。2歳から4歳前後の幼児の場合、昼間は「クマちゃんを冒険に行かせる!」と意気込んで預けたものの、いざ就寝時間になると相棒がいない現実に直面し、激しい夜泣きを起こしてしまうケースが後を絶ちません。育児コミュニティには「深夜に子どもが泣き叫んで眠らず、結局図書館の夜間警備口に電話して引き取りに行こうか本気で悩んだ」「夜中の3時まで相棒を探して家中を彷徨った」という切実な告白が多数寄せられています。
また、図書館側が最も神経を尖らせているのが「ぬいぐるみの紛失・破損・取り違え」です。全国チェーンの量販店で販売されている定番のクマや人気キャラクターのぬいぐるみは、同じ回に何体も重複することが珍しくありません。タグに名前がない場合、誤って別の子どもに手渡してしまう致命的なミスに直結します。さらに、年季の入ったヴィンテージ品やほつれのあるぬいぐるみを預かる際、万が一破損が生じた場合の弁償基準や免責条項について、事前に承諾書を取り交わす自治体が増加しています。
現場スタッフの労働環境も見過ごせません。自治体の予算削減と人員不足が続くなか、通常業務の合間を縫って深夜の館内撮影やカードの印刷・ラミネート加工を行う作業は、司書たちの善意とサービス残業に依存している側面が否めません。「素晴らしい取り組みだが、年に1回が限界」「定員を増やしたくてもこれ以上の撮影工数は取れない」という現場の本音は、イベントの持続可能性における重い課題です。