コードフォームを覚えた次に直面するのが、「右手のリズム表現」です。バラードだからといって平坦にジャカジャカとストロークしてしまうと、曲の持つ繊細な美しさが損なわれてしまいます。静けさを演出するAメロ・Bメロと、情感を爆発させるサビとで、右手のダイナミクスを明確に切り替えましょう。
楽曲の前半部では、アコースティックギターの持ち味であるアルペジオ(指弾き)が威力を発揮します。TAB譜が手元になくても、以下のピッキング順序を頭に入れておけば誰でも本格的なアルペジオが成立します。
【Aメロ標準アルペジオ手順】
1. 親指(P):各コードのルート音(最低音:Gなら6弦、Cなら5弦)を鳴らす
2. 人差し指(i)・中指(m)・薬指(a):3弦・2弦・1弦を下から順に優しくすくい上げるように弾く
3. リズムは「タン・タ・タ・タ」と8分音符で均等に刻み、ルート音の響きを最後まで残す。
サビに入った瞬間からは、右手全体を使った16ビートのストロークパターンへとシフトします。「ジャン(休)|ジャン・ツカ・タッカ・ジャン」という、いわゆる2拍目と4拍目にアクセントを置いたリズミカルな振り抜きが求められます。右手を常に上下に一定速度で振り続ける「オルタネイトピッキング(空ピッキング)」を徹底することで、歌唱しながらでもテンポが走ったりモタついたりするトラブルを未然に防ぐことができます。