天神ヤングメイトが開業した昭和50年代、福岡の商業地図は大きな転換期を迎えていました。それまで大人の街だった天神へ若年層を呼び込む起爆剤となったのが同施設です。DCブランドブームの前夜から独自のセレクトショップ、ファンシーグッズ店、ジーンズショップ、レコード店などを集結させ、「ヤングメイトに行けば流行のすべてが揃う」と言わしめるほどの求心力を誇りました。
しかし、栄華を誇ったヤングメイトも時代の構造変化には抗えませんでした。閉店に至った主な要因として、都市開発と商業競争の激化が挙げられます。
1970年代後半から1980年代にかけて、天神地区には天神コア(1976年開業)、天神ビブレ(1982年開業)、さらには1989年のイムズ(IMS)といった大型ファッションビルが相次いで誕生しました。資本力と圧倒的な床面積を持つ競合ビルの登場により、中小規模の専門店ビルであったヤングメイトはテナント誘致と集客の両面で厳しい戦いを強いられることになります。加えて、バブル経済の崩壊とそれに伴う消費行動の多様化、ビルの老朽化や耐震基準の問題が重なり、惜しまれつつもその歴史に幕を下ろす決断が下されました。