眼窩底骨折を放置するリスクとは?複視やしびれの手術基準と全治期間

眼窩底骨折を放置するリスクとは?複視やしびれの手術基準と全治期間

眼窩底骨折を放置するリスクとは?複視やしびれの手術基準と全治期間の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

形成外科における眼窩吹き抜け骨折の治療法は、近年著しい進歩を遂げています。手術の目的は、副鼻腔内に落ち込んで挟まった筋肉や脂肪組織を眼窩内に優しく引き戻し、欠損した骨の床部分に人工骨シートや吸収性プレート、あるいはチタンメッシュを敷いて再脱落を防ぐことです。

執刀時のアプローチとしては、下まぶたの裏側(結膜側)を切開する「経結膜切開アプローチ」が主流となっており、この方法を用いれば顔の表面に目立つ傷跡が一切残りません。骨折範囲が広く視野の確保が難しい場合には、まつ毛の生え際直下を切開する経皮アプローチが選択されますが、形成外科の縫合技術により傷跡は半年から1年ほどでシワと同化し、ほとんど判別できなくなります。

手術費用に関しては、眼窩底骨折の手術は健康保険の適用対象です。3割負担の場合、手術自体の費用と入院管理費を含めて窓口支払いは概ね8万〜15万円程度となります。さらに高額療養費制度を申請することで、一般的な年収世帯であれば月間の自己負担額を8万円前後に抑えることが可能です。

一方、アスリートや部活動に励む学生にとって最大の関心事であるスポーツ復帰期間には慎重な段階設定が求められます。手術後、骨折部を再建したシートや骨組織が周囲と強固に癒着・安定するまでには最低でも1ヶ月から2ヶ月を要します。ジョギング等の非接触トレーニングは術後2〜3週間で再開できるケースが多いものの、球技や格闘技、激しいコンタクトプレーへの復帰は受傷後2〜3ヶ月を経過し、画像診断で安全が確認されてからとなります。復帰初期には専用のフェイスガード(保護マスク)を装着して再受傷を防ぐ対策も有効です。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。