雑種第一代(F1)であるポメラニアン柴犬ミックスの成犬時の姿を予測することは、純血種に比べて格段に難易度が高いとされています。体格の決定要因はメンデルの遺伝法則に依存し、両親のどちらの骨格遺伝子が優性として発現するかによって、成犬の姿は全く異なる二極化を見せます。
ポメ柴の大きさ変化と成犬の姿を時系列で追うと、生後3か月まではポメラニアンに近いコロコロとした小型フォルムを維持しますが、生後4〜5か月の「骨格形成期」に入ると手足が急速に伸び始めます。この時期にマズル(鼻口部)が前に突き出して柴犬のシャープさが出るか、短いマズルのまま毛量が爆発するかが大きな分岐点となります。一般的に、成犬時の顔貌は愛好家の間で以下の2系統に大別されます。
一つは「たぬき顔」と呼ばれるタイプです。ポメラニアンの頭骨形状と豊富なアンダーコートを色濃く受け継ぎ、額から鼻先へのストップ(くぼみ)が深く、マズルが短めで丸顔に見えます。耳は比較的小さく毛に埋もれがちで、成犬になっても子熊やタヌキのような愛玩性の高いシルエットを保ちます。体重は4kg〜6kg前後に収まるケースが多く見られます。
もう一方は「きつね顔」と呼ばれるタイプです。柴犬の野性味あふれる骨格が前面に出て、マズルがすらりと長く、三角形の立ち耳がピンと際立ちます。首回りの筋肉が発達し、胴体も引き締まったアスリート体型へと変化します。このタイプは柴犬の標準サイズに肉薄し、体重が7kg〜9kg台に達することも珍しくありません。「抱っこしてどこにでも連れて行ける小型犬」を想定していた家庭にとって、柴犬の成犬とほぼ変わらないサイズ感への変化は、生活スペースや運搬用キャリーの選定において大きな見直しを迫られる事態となります。