ネット上の噂で最も根強く囁かれてきたのが、「創価学会員タレントはテレビ業界で優遇され、非会員タレントを排除する圧力をかけている」というキャスティング支配説です。かつて民放のバラエティ番組で活躍していた一部タレントの降板劇をめぐり、「学会員の意向に逆らったため干された」とする都市伝説が長年流通してきました。
しかし、テレビ業界のキャスティング構造を客観的に取材・分析すると、そうした陰謀論の実態は極めて希薄であることが明らかになります。
第一に、現代の放送局や大手広告代理店には、スポンサー企業からの極めて厳格な広告ガバナンスとコンプライアンス規程が課せられています。特定の宗教勢力の都合だけでキャスティングを左右すれば、上場企業であるスポンサーに対する重大な背信行為となり、電通や博報堂といった大手広告代理店の監査を通過することは不可能です。
第二に、ネット上で「学会員」と断定されている大物タレントの多くが、実際には何の関係もないという事実です。たとえば、青・黄・赤の信号色やストライプ模様の私物を身につけていただけで「学会員認定」された俳優や、創価学会員タレントと親交が深いというだけでリスト入りしたタレントが多数存在します。これらは、ネット特有の確証バイアスが生み出した虚像に過ぎません。
タレントが長年にわたりレギュラー番組を持ち続けることができるのは、ひとえに「視聴率を取れるトーク力」「現場でのスタッフ受けの良さ」「スポンサーへの高い訴求力」という、実力主義の市場原理によるものです。信仰の有無によって芸能界を生き残れるほど、現代のメディアビジネスは甘い構造になっていません。