地域おこし協力隊の募集を探す際、多くの人が目にするのが「国から隊員1人あたり年間550万円の特別交付税が自治体に措置されている」という情報です。この数字だけを見て「年収550万円前後の高待遇が得られる」と誤認してしまう応募者が今も散見されます。しかし、この年間550万円という枠組みは自治体が受け取る財政支援の上限額であり、全額が隊員の給料になるわけではありません。
総務省の算定基準における内訳を見ると、隊員個人の人件費・報酬(総務省 報償費上限)として定められている目安は年間約290万円(月額換算で約24万円上限)です。残りの最大200万円は消耗品費や車両費、研修費などに充てられる「活動費」、さらに残額は自治体側の事務管理費や募集経費として計上される仕組みになっています。
全国の募集動向を調査すると、地域おこし協力隊の平均年収は額面で230万〜330万円程度が中央値です。月給換算では16万円〜23万円程度で募集されている自治体が全体の7割以上を占めており、近年の物価上昇に伴い上限近くの25万〜28万円を提示する先進的な自治体も一部現れ始めたものの、都市部の民間給与水準と比較すると依然として決して高いとは言えないのが実態です。