細木氏の「裏の顔」を語る上で避けて通れない最大の暗部が、昭和の歌姫・島倉千代子氏の借金トラブルへの介入と、被害者が続出した高額墓石の販売問題です。
1970年代後半、知人の手形乱発により莫大な借金(当時の額で十数億円)を背負い、破滅の危機に瀕していた島倉千代子氏。そこに「救世主」として現れたのが細木氏でした。借金の整理を引き受ける名目で島倉氏の個人事務所の役員に就任した細木氏でしたが、実際に行われたのは島倉氏のレコード原盤権や興行権の徹底的な管理・搾取でした。島倉氏は細木氏の支配下で過酷な地方営業を強いられ、長年にわたり心身ともに隷属状態に置かれることとなった事実は、芸能史に残る悲劇として今も語り継がれています。
また、彼女が主宰していた鑑定ビジネスにおいては、相談者の恐怖心を煽って法外な金額の墓石や仏壇を購入させる手口が深刻な社会問題となりました。「先祖の因縁を断ち切らなければ、家族が全員早死にする」などと言葉巧みに脅迫し、相場を遥かに超える額で契約を結ばせていたのです。
実際に、高額な墓石を購入させられた複数の相談者が被害対策弁護団を結成して提訴。裁判所は「相談者の不安に乗じて著しく高額な商品を売りつけた」として不法行為を認定し、細木氏側に数千万円規模の返還・損害賠償を命じる判決を下しています。テレビで見せていた「人情味ある説教」の裏で、司法から違法と断じられるレベルの金銭収奪が行われていた事実は重い教訓を残しています。