日本で広く親しまれている二大品種である男爵薯とメークイン。これらは特性が根本的に異なるため、茹で方や用途を明確に使い分けることが肝心だ。
歴史を紐解くと、明治時代に実業家・川田龍吉男爵が北海道函館に持ち込んだとされる男爵薯は、澱粉質が豊富で加熱すると細胞が破裂しやすく、圧倒的なホクホク感を生み出す。ポテトサラダやコロッケといった潰して使う家庭料理に最適だ。
一方で、長楕円形で表面が滑らかなメークインは、水分が多く澱粉質が少なめであるため、茹でても崩れにくい。カレーや肉じゃが、おでんなど、煮込み料理での形崩れを防ぎたい場面で真価を発揮する。外食や加工品を取り扱う食品産業の現場でも、この特性を踏まえた厳格な原料選定が行われている。