公の場に姿を見せない娘ですが、夫妻が時折ラジオの電波や歌詞の端々で覗かせる親子エピソードからは、ごく自然で温かな家庭の空気が伝わってきます。
山下達郎のライフワークであるTOKYO FM系『山下達郎のサンデー・ソングブック』では、リスナーからの私生活に踏み込んだ質問を巧みにかわしつつも、時に父親としての顔がこぼれる場面がありました。かつて娘が学生だった頃、父親が愛聴するドゥーワップや1960年代のオールディーズではなく、当時の若者が熱狂していたパンクロックやヴィジュアル系バンド、J-POPを好んで聴いていたことに対し、山下達郎が「親の音楽なんて聴きやしない」「自分たちのルーツとはまったく違う音楽に夢中になっている」と、苦笑交じりに語ったエピソードはファンの間で語り草となっています。親の権威を家庭内に持ち込まず、一人の少女として好きなカルチャーを自由に謳歌させていた証左といえるでしょう。
一方、母である竹内まりやの楽曲にも、母娘の関係性が色濃く反映されています。2007年に発表された楽曲『うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)』は、娘の結婚式を想起させる感動的なバラードとして知られています。この楽曲のリリース当時、「山下達郎の娘が結婚したのではないか」という憶測が広まりました。後に竹内まりや自身が語ったところによると、この曲は親しい友人の娘の結婚を祝福するために書かれた側面とともに、「いつか訪れるであろう我が子の旅立ち」に自らの心情を重ね合わせた作品であったと明かされています。
現在の娘の結婚生活や家庭状況についても公式なアナウンスはありませんが、40代を迎えた竹内まりやの娘の現在は、親の威光に頼ることなく、穏やかな市民生活を営んでいると伝えられています。