高校卒業と同時に、彼はポケットにわずかな小銭と革ジャンだけを詰め込み、広島駅から夜行列車に飛び乗った。目指したのは東京だったが、所持金が尽きかけて途中下車した横浜の地から、彼のプロへの挑戦が幕を開ける。
1972年、革ジャンにリーゼントという鮮烈なビジュアルで結成された伝説のバンド、キャロル (CAROL)。ビートの効いたストレートなロックンロールと日本語の融合は、当時のフォーク全盛の日本音楽界に巨大な地殻変動を起こした。わずか3年余りの活動で解散に至るものの、キャロルが放った閃光は、後に彼がソロアーティストとして切り拓く荒野の確かな道標となった。