シリーズの歴史を振り返る際、ネット検索やSNS上で度々浮上するのが戸田恵梨香のコードブルー降板の噂です。国民的ヒット作のメインキャストである彼女に、なぜこのような不穏な憶測が流れたのでしょうか。取材データと当時の業界背景を精査すると、そこには3つの構造的な要因が浮かび上がってきます。
第1の要因は、セカンドシーズン(2010年)からサードシーズン(2017年)までの「7年間の空白期間」です。この間に戸田恵梨香は『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』シリーズで単独主演を務め、唯一無二のトップ女優としての地位を盤石にしました。業界内では「すでに単独主演級の女優陣(新垣結衣・戸田恵梨香)を再び同一ドラマのアンサンブルキャストとして揃えるのはギャラや座長格の調整上、不可能に近い」と囁かれ、そこから「緋山は他院へ異動した設定で降板するのではないか」という根拠のない憶測が一人歩きしたのです。
第2の要因は、「主要キャスト5人が揃わなければ続編はやらない」という俳優陣の強い結束です。関係者の証言によると、フジテレビ側は早期の続編制作を模索していたものの、山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介の5人の超多忙なスケジュールが完全に合致するまでに7年もの歳月を要しました。「誰か一人が欠けるなら作らない」というキャスト陣のこだわりが、調整難航の報道と混ざり合い、「戸田恵梨香が出演に難色を示しているのではないか」という誤った言説に変形していったのが実態です。
第3の要因として、2021年秋頃に報じられた戸田恵梨香の休養報道との混同が挙げられます。当時、主演映画やドラマを体調不良により降板した出来事があり、これが過去の『コード・ブルー』の降板疑惑とネット検索上で結びつき、尾ひれがついて拡散された形跡が確認されています。実際には、彼女が『コード・ブルー』の制作現場で降板を申し出た事実は一切なく、緋山美帆子というキャラクターに並々ならぬ愛情と誇りを注ぎ続けていたことが現場スタッフの一致した見解です。