月の英語完全ガイド!スペル・略称と語源ズレの真相【2026年版】

月の英語完全ガイド!スペル・略称と語源ズレの真相【2026年版】

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英語を学ぶ人が誰しも抱く違和感――「タコ(Octopus=8本足)やオクターブ(Octave=8度音程)のoctoなのに、なぜOctoberは10月なのか?」「9月(September)のseptはラテン語で7を意味するはずでは?」という疑問の背景には、暦の歴史における重大な変遷が存在します。

巷の雑学記事やSNSでは、「ユリウス・カエサルと初代皇帝アウグストゥスが、自分の名前を付けた7月(July)と8月(August)を年の途中に無理やり割り込ませたため、後ろの月が2ヶ月押し出されてズレてしまった」という説が、まことしやかに語られがちです。しかし、歴史学および天文学の客観的証拠に照らし合わせると、この俗説は明白な誤りです。

英語月名の語源ズレの真相は、「7月と8月が割り込んだ」のではなく、「1年の始まりが3月から1月に移動した」ことにあります。古代ローマ初期の「ロムルス暦」では、農業や軍事行動が休止する冬期には暦が存在せず、春分を迎えて作付けと遠征が始まる3月(Martius)が第1月でした。

当時の暦の順序を検証すると、次の通り整然と並んでいました。

  • 第1月:Martius(現在の3月)
  • 第2月:Aprilis(現在の4月)
  • 第3月:Maius(現在の5月)
  • 第4月:Junius(現在の6月)
  • 第5月:Quintilis(現在の7月・ラテン語の5)
  • 第6月:Sextilis(現在の8月・ラテン語の6)
  • 第7月:September(現在の9月・ラテン語の7)
  • 第8月:October(現在の10月・ラテン語の8)
  • 第9月:November(現在の11月・ラテン語の9)
  • 第10月:December(現在の12月・ラテン語の10)

その後、第2代ローマ王ヌマ・ポンピリウスが冬の期間に「Januarius(1月)」と「Februarius(2月)」を新設しました。そして紀元前153年、執政官の就任日が1月1日に変更されたことを機に、公的な年始が1月に繰り上げられたのです。その結果、元々の「第7の月(September)」がカレンダー上の「9番目の月」へ自動的に2枠後退しました。

カエサルとアウグストゥスが行ったのは、既存の第5月(Quintilis)を「Julius」に、第6月(Sextilis)を「Augustus」に名称変更(リネーム)しただけであり、月を新規挿入したわけではありません。この歴史的事実を知るだけで、9月〜12月の語源は「2ヶ月足せば元の数字に戻る」という明確な理屈として腑に落ちるはずです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。