映画『海がきこえる』は、日本のアニメーションにおける「ロケーション取材に基づくリアルな美術設定」の先駆けとしても高く評価されています。劇中に登場する高知市の風景は、30年以上が過ぎた今も多くの面影を残しています。
拓たちが通う学校のモデルとなった高知県立高知追手前高校の壮麗な校舎、放課後の語らいの場であるはりまや橋や帯屋町商店街、そして拓と松野が思いを巡らせた高知城ライトアップや桂浜。現地を訪れると、背景美術スタッフが徹底して捉えた高知の光と風がそのまま息づいていることを実感できます。
旅の終着点として、東京・武蔵野市の吉祥寺駅ホームを訪れるファンも後を絶ちません。中央線と総武線のホームが織りなす劇的な構図は、時代が移り変わっても色褪せない青春の記念碑として愛され続けています。