パソコンやスマートフォンの画面上で「髙」がすんなり出てこない最大の要因は、この文字が常用漢字ではなく異体字(俗字)に分類されている点にあります。私たちが普段目にする「高」は、戦後の国語改革を経て整理された「新字体」であり、学校教育や一般的な出版物で広く用いられる標準規格の漢字です。
一方で、頭部と下部の間にある四角の中が横棒2本で梯子(はしご)状になっている「髙」は、文字の成り立ちとしては「高」と同じルーツを持つ異体字にあたります。その形状から通称として梯子高由来の名で親しまれてきましたが、かつてのJIS基本漢字(JIS X 0208)規格には含まれていませんでした。そのため、従来のコンピュータでは「機種依存文字」として扱われ、標準の変換候補からあえて除外されたり、候補リストの奥深くに隠されたりしてきた歴史的な経緯があります。
現代の主要なOSは多国語を統一して扱えるUnicode(UTF-8)を標準採用しており、「髙」にも固有の文字コード(U+9AD9)が割り振られています。技術的には問題なく扱える土壌が整っているにもかかわらず変換できない場合、お使いの日本語入力ソフト(IME)が「標準的な常用漢字のみを優先表示する」設定になっているか、単純に入力ワードの読み方と一致していないことが主な原因です。