あれほど重宝されていたペッパーくんが、なぜ全店舗から姿を消すことになったのか。ネット上では「クビになった」「リストラされた」と面白おかしく囁かれましたが、実際のところは綿密に計算された合理的な事業判断によるものでした。主な理由は以下の3点に集約されます。
① 3年間のレンタル契約満了
法人向けペッパーくんの基本プランは3年単位のリース・レンタル契約が一般的です。2016〜2017年にかけて導入された機体は、2019年から2020年頃に一斉に契約更新のタイミングを迎えました。費用対効果を再検証した結果、契約を延長せずに終了する判断が下されました。
② 混雑時における処理速度と認識精度の限界
ペッパーくんの最大の魅力である「会話による対話型コミュニケーション」が、土日祝日のピーク時には逆にボトルネックとなりました。店内の喧騒による音声聞き取りエラー、子どもが話しかけて進行が止まるケース、動作のタイムラグなどが重なり、エントランスに行列を作ってしまう原因になっていたのです。
③ 設置スペースとランニングコストの兼ね合い
人型であるペッパーくんは存在感がある反面、待合スペースを一定程度占有します。さらに、可動部が多いロボットゆえの故障リスクや、月額数万円に及ぶ維持・保守メンテナンス費用も長期的な重荷となっていました。