小保方氏の歩みの中で、世論の度肝を抜いたもう一つの転換点が、2018年5月に発売された『婦人公論』における婦人公論グラビア掲載と、作家・瀬戸内寂聴氏との対談でした。表紙を飾った彼女のビジュアルは、2014年の記者会見で見せた研究者然とした姿とは打って変わり、洗練された大人の女性へと劇的な変貌を遂げていたのです。
撮影を担当したのは、日本を代表する写真家の篠山紀信氏でした。黒のノースリーブワンピースに身を包み、ウェーブがかったロングヘアでカメラを見つめる彼女のポートレートは、「小保方晴子の現在画像」として瞬く間にSNSやネットニュースを席巻。「まるで別人のように美しい」「かつての面影が完全に刷新された」と、ネットの反応と評判は騒然となりました。
このグラビア登場の背景には、世間から一方的に押し付けられた「悲劇のヒロイン」あるいは「希代の詐欺師」という二極化された記号からの脱却意図があったと読み解くことができます。自らの身体性と美意識をプロの写真家の前に差し出す行為は、理不尽な社会的断罪によって奪われた自己の主権を取り戻すための、ある種の自己回復儀礼(リハビリテーション)であったとも捉えられます。